1.地層型都市の誕生

【海面上昇】
もう何百年も前からずっと言われ続けていたことだが地球温暖化による環境問題の筆頭だった。
科学者の嘘だと笑われていた説が現実となり、人類が慌て始めた時にはもういくつかの島国は水没してしまっていて、対策としてユーラシアシェルターと呼ばれるプロジェクトが完成したのは更に陸地の半分を失った頃である。沈みゆく文明は捨てられ、人々はシェルターに避難し、世界は一つになったと言う。
……しかしそれは、避難が出来た者の歴史であって、出来なかった者の歴史ではないのだ。

【地層型都市】

シェルターに避難できたのは人類の30%ではないかと言われている。
残りの人類はシェルターに入ることが出来ず、水没に怯えながら都市に捨てられたようなもので、彼らは今まで培ってきた技術を使えるだけ使い水平線の下に新たな都市を作ることに決めた。
結果として大規模なジオフロントは完成し、見事残された人類も非難をすることが出来たのである。

【ハデス】

地層型都市として作られた中でも最大の広さを誇り、地下の神の名を冠したハイテクノロジーの都市。
空は巨大スクリーンのパノラマで表現され、第十階層までを機能させていた。非常に住みやすいと言われていた場所だったが、その分多い人数を迎え入れることとなり、更に逃げてきた人間は平等に心の傷を負っていて、故に他人を思いやることが出来なかった。
結果として治安は荒れ、犯罪の蔓延る世界となり、30年に及ぶ大抗争によって更にトラウマを作っていくことになる。

【ユーラシアシェルター】

遥か彼方、避難民族の世界。水面上昇によって徐々に人の住む場所が無くなった際、権力者は大きな大陸を囲むように壁を作り、そこに逃げ込んで命の危機をやり過ごした。
ここが今どうなっているのか誰も知らないし、知ろうとも思わないし、ただ誰もが心から嫌っている。